健康保険法が改正されました

2002年09月20日

平成14年10月から実施

現役世代
  • 高額療養費の自己負担限度額が引き上げられます
  • 「配偶者」出産育児一時金が「家族」に拡大されます
高齢者
  • 窓口負担が完全1割、一定以上所得者は2割になります
  • 自己負担限度額が引き上げられます
3歳未満
  • 窓口負担が3割→2割になります

現役世代の高額療養費の自己負担限度額が引き上げられます

入院などで医療費が高額になったとき、一定の額を超えた分は後から払い戻される「高額療養費制度」があります。この月額上限が、表のように引き上げられます。

<現役世代の自己負担限度額(月額)はこうなります>
  改定前 平成14年10月~ 平成15年4月~
上位所得者
(月収56万円以上)
121,800円+
(医療費-609,000円)×1%
139,800円+
(医療費-699,000円)×1%
139,800円+
(医療費-※466,000円)×1%
一般 63,600円+
(医療費-318,000円)×1%
72,300円+
(医療費-361,500円)×1%
72,300円+
(医療費-※241,000円)×1%
低所得者
(住民税非課税)
35,400円 35,400円(変更なし) 35,400円(変更なし)

※印の額が変更になります。

当健康保険組合では一部負担還元金、家族療養附加金、合算高額療養附加金等の附加給付を実施しており、健康保険組合法改正後も現行どおりとする予定になっております。
一部負担還元金、家族療養附加金については、自己負担の限度が20,000円(端数処理の関係で20,999円までの自己負担が生ずる場合があります。)、合算高額療養附加金については、合算高額療養者の対象となった件数1件ごとに20,000円の自己負担となります。

平成14年10月より「配偶者」出産育児一時金が「家族」に拡大されます

被扶養者である配偶者が出産した場合に配偶者出産育児一時金が支給されますが、その対象が「被扶養者である家族」に拡大されます。例えば今後は、被扶養者である子の出産についても、家族出産育児一時金として支給されることになります。

高齢者は平成14年10月より窓口負担は完全1割、一定以上所得者は2割になります

平成14年10月1日以降70歳になる高齢者の方についての自己負担限度額は次の通りとなります。

高齢者の自己負担限度額(月額)はこうなります

  • ただし、夫婦世帯で年収637万円、単身世帯で年収450万円に満たない場合、健康保険組合に申請を行っていただき、認定を受けられた場合には一般となります。(40,200円)は多数該当の場合(4回目以降)。

健康保険高齢受給者証

健保組合の被保険者または被扶養者が、平成14年10月1日以降に70歳となったときには、「健康保険高齢受給者証」を交付します。これには患者負担割合が明記されており、医療機関窓口で従来の保険証とともに提示します。

70才以上で標準報酬月額が28万円以上の被保険者及びその被扶養者は2割負担となりますが、被保険者本人と70歳以上の被扶養者の平成13年の収入の合計額が以下の一定額に満たない場合には、申請(「基準収入額適用申請書」)により1割の負担となります。

  • 夫婦世帯(70歳以上の被扶養者がいる場合):637万円
  • 単身世帯(70以上の被扶養者がいない場合):450万円
基準収入額とは

療養を受ける日の属する年における市区町村民税の課税所得額の計算上収入金額とすべき収入のことです。(属する年の市区町村の課税所得額は前年の収入により算出されています。)

  • 市区町村民税非課税となっている方であっても、申請に当たっては、その方に係る課税所得額の算定の際、必要経費・控除を差し引く前の収入として捉えられる収入の額を額の多寡に拘らず収入金額として計上します。
  • 療養を受ける日の属する月が1月から8月までの場合は前年における市区町村民税の課税所得額の計算上収入金額とすべき収入となります。
  • 退職所得に係る収入は除きます。
    収入には、被扶養判定の場合と異なり、公租公課の対象とならない収入は含まれません。
  • 老人医療受給対象者の課税所得基準額である124万円の算定に当たって、各種所得について課税対象となる年収を前提とし、課税対象外である収入については除いていることとの均衡を考慮します。
公租公課の対象とならない収入の例
  • 障害又は遺族に係る年金・恩給等
  • 戦没者等の遺族に対する特別弔慰金
  • 児童手当、児童扶養手当
  • 災害弔慰金
  • 健康保険法等による傷病手当金、雇用保険法による失業給付など
<70歳以上の患者負担割合早見表>
被保険者の年齢と所得区分  患者負担割合
被保険者
 被扶養者(70歳以上)
70歳以上 一定以上所得者 2割 2割
一般・低所得者 1割 1割
69歳以下 3割
※平成15年3月までは2割
1割

平成15年4月から実施

現役世代
  • 健保本人の窓口負担が2割→3割になります
  • 健保家族の入院の患者負担が2割→3割になります
  • 健康保険料は年収ベースで算定されます
  • 資格喪失後の継続療養は廃止されます
  • 任意継続被保険者制度の55歳以上の特例は廃止されます

平成15年4月から被保険者本人の負担、被扶養者の入院も、2割→3割へ

たとえばかぜで受診して医療費が5,000円かかった場合、今は1,000円の窓口負担が、平成15年4月から1,500円になります。
また家族の入院も、2割から3割負担に引き上げられます。日頃の健康管理がより大切になります。

<外来の薬剤一部負担金については平成15年4月より廃止>
現在、6歳~69歳の患者は、外来で薬が処方された場合、内服薬1日分30~100円・外用薬50~150円(種類数による)を窓口で支払っています。この一部負担金が廃止され、この分は負担が軽くなります。

保険料は年収ベースで算定

現在、健康保険料は月収をもとに算定されています。改定後は、年収をベースにした「総報酬制」となり、毎月の給与にもボーナス支払い時にも同じ割合をかけて保険料が計算されます(算定対象になるボーナスは1回につき200万円上限)。実施時期は厚生年金保険料に合わせて、平成15年4月からとなります。

 平成15年4月から資格喪失後の継続療養は廃止されます

退職前から健康保険で治療を受けていた場合、退職後も元の健康保険で療養の給付を開始した日から5年間治療を受けられる「継続療養」の制度があります。

平成15年4月から患者負担が国民健康保険と同じ3割に引き上げられることにともない、この制度は廃止されます。
ただし、傷病手当金・出産手当金の継続給付や、資格喪失後の出産・死亡に関する給付は、現行どおりです。

  • すでに交付してある「継続療養証明書」で受給期限が平成15年4月1日以降の日付になっているものは(平成15年3月31日と読み換えてください)、平成15年4月1日以降使用できません。平成15年3月31日を過ぎましたらご返送ください。

任意継続被保険者制度の55歳以上の特例は廃止

退職時に希望すれば、2年間まで引き続き健保組合に加入できる「任意継続被保険者」の制度は、法改正後も存続します。ただし55歳以上の人のみ60歳まで最長5年間加入できる特例は廃止され、2年に短縮されます。

なお総報酬制導入後も、任意継続被保険者は賞与相当分の保険料は徴収されません。

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